
エンジニアなら誰でも経験があるはずです。
「バグの修正アイデアを思いついたけど、PCを開く場所がない」 「移動中に緊急対応の連絡が来たけど、満員電車でPCが出せない」 「休日にちょっとだけコード修正したいけど、デスクに向かいたくない」 「ふと良いアイデアが浮かんだけど、メモするだけで終わってしまう」 「カフェでちょっと作業したいけど、Wi-Fiの速度が遅すぎる」
「PCがないと開発できない」という制約は、意外とストレスです。
| シチュエーション | PCを開けるか | アイデアがあるか |
|---|---|---|
| 通勤電車 | ✗ 難しい | ◎ 思いつきやすい |
| 移動中のタクシー | △ 可能だが不便 | ○ 考える時間がある |
| カフェでの待ち時間 | △ Wi-Fi問題 | ○ |
| 就寝前のベッド | ✗ 起きたくない | ◎ 思いつきやすい |
| 温泉・旅行先 | ✗ PC持っていない | ○ |
アイデアが湧く瞬間と、PCを開ける状況が一致しない——これがエンジニアの隙間時間問題です。
2026年1月にProduct Huntで発表された**「Sled」**は、この常識を覆します。
スマホから自然言語(音声・テキスト)で指示を出すだけで、AIエージェントがコードを書き、GitHubにPR(プルリクエスト)を出してくれるツールです。
Sledは、モバイルアプリからAIエージェントに指示を出し、自動でコーディングを実行させる開発支援ツールです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Sled AI(サンフランシスコ拠点) |
| 創業年 | 2025年 |
| 対応OS | iOS 15.0以上、Android 12以上 |
| 連携サービス | GitHub、GitLab(ベータ) |
| 料金 | Free / Pro($20/月)/ Team($50/ユーザー/月) |
| AIエンジン | GPT-4o、Claude 3.5 Sonnet(選択可能) |
| Product Hunt評価 | 4.7/5(2026年1月時点) |
| ダウンロード数 | 5万+(2026年1月時点) |
Sledの創業者であるMichael Chang氏は、元Googleのソフトウェアエンジニアで、通勤電車の中でバグを発見したが修正できなかったフラストレーションからこのツールを開発しました。
「電車の中でSlackにバグ報告が来た。原因はすぐにわかった。でも、PCを開けない。会社に着くまで1時間、ただ待つしかなかった。その時間でAIに修正させられたら...と思ったのが始まりです」
Sledのコンセプトは**「PCレスでの開発」**です。
コードエディタをスマホで操作するのではなく、「何をしたいか」をAIに伝えるだけ。実際のコーディングは、クラウド上のAIエージェントが実行します。
従来の開発フロー:
PCを開く → IDEを立ち上げる → コードを書く → テスト → PR作成 → レビュー
Sledの開発フロー:
スマホで指示 → AIがコード作成 → AIがテスト → AIがPR作成 → スマホでレビュー承認
| カテゴリ | 対応状況 |
|---|---|
| 言語 | JavaScript/TypeScript、Python、Java、Go、Ruby、Rust、C#、PHP |
| フレームワーク | React、Vue、Next.js、Express、Django、Rails、Spring Boot等 |
| テスト | Jest、pytest、JUnit等の主要テストフレームワーク |
| CI/CD | GitHub Actions、CircleCI、Jenkins連携 |
チャット画面に向かって、修正したい内容を伝えます。
ユーザー: 「src/components/Button.tsxの背景色を、
ダークモードの時は#333になるように修正して。
あと、ついでにテストも追加しておいて」
スマホのマイクボタンを押して話すだけ。音声認識は高精度で、専門用語(コンポーネント名やファイルパス)も正しく認識します。
| 音声認識精度 | 結果 |
|---|---|
| 一般的な日本語 | 95%以上 |
| 技術用語(React、TypeScript等) | 90%以上 |
| ファイルパス | 85%以上(曖昧検索で補完) |
| 関数名・変数名 | 80%以上 |
指示を受け取ったAIエージェントは、以下の手順で作業を行います。
1. リポジトリ解析
├── ファイル構造の理解
├── 依存関係の把握
└── 既存コードスタイルの学習
2. 修正プラン作成
├── 変更対象ファイルの特定
├── 修正方針の決定
└── テスト方針の決定
3. コード生成
├── 既存スタイルに合わせた実装
├── 型定義の追加(TypeScriptの場合)
└── ドキュメントコメントの追加
4. 自動テスト
├── 既存テストの実行
├── 新規テストの作成・実行
└── Linter/Formatterの実行
5. PR作成
├── 変更内容の要約
├── Diffの生成
└── レビュアーへの通知(設定時)
AIの作業中は、スマホにプッシュ通知で進捗が届きます。
| 通知内容 | タイミング |
|---|---|
| 「タスクを受け付けました」 | 指示直後 |
| 「コード修正中...」 | 作業開始時 |
| 「テスト実行中...」 | テスト開始時 |
| 「PRを作成しました!」 | 完了時 |
| 「エラーが発生しました」 | 失敗時 |
AIが作成したPRの内容は、Sledアプリ上で確認できます。
| 情報 | 詳細 |
|---|---|
| 変更ファイル一覧 | 修正したファイルのリスト |
| Diff表示 | 追加/削除/変更の差分 |
| AIの解説 | なぜこの修正をしたか |
| テスト結果 | Pass/Failの状況 |
| コードカバレッジ | テストのカバー率 |
| アクション | 説明 |
|---|---|
| Approve & Merge | 承認してマージ |
| Request Changes | 修正を依頼(追加指示) |
| Close | PRを閉じる |
| View in GitHub | GitHub Webで詳細確認 |
GitHub Issuesとも連携しており、「このIssueを解決して」とIssueのURLを貼るだけで作業を開始させることも可能です。
ユーザー: 「このIssueを解決して」
[GitHub Issue #42のURL]
Sled AI: 「Issue #42の内容を確認しました。
バグの原因は〇〇で、修正方針は△△です。
作業を開始しますか?」
ユーザー: 「お願い」
Sled AI: 「承知しました。完了したら通知します」
Sledは単一ファイルだけでなく、プロジェクト全体のコンテキストを理解します。
| 理解する内容 | 詳細 |
|---|---|
| プロジェクト構造 | ディレクトリ構成、package.json等 |
| 依存関係 | どのライブラリを使っているか |
| コーディング規約 | ESLint、Prettier設定 |
| 既存コードスタイル | 命名規則、インデント等 |
| 過去のPR履歴 | チームのレビュー傾向 |
複数人での開発に対応した機能です。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 共有リポジトリ | チームでリポジトリを共有 |
| 権限管理 | メンバーごとの権限設定 |
| アクティビティログ | 誰がどんな指示を出したか記録 |
| 通知設定 | PRのレビュー依頼をチームに通知 |
シチュエーション:朝の通勤電車。Slackで「ログイン画面でレイアウト崩れ」の報告が来た。
| 時刻 | 場所 | アクション |
|---|---|---|
| 8 | 自宅→駅 | Slackでバグ報告を確認 |
| 8 | 電車内 | Sledを起動、音声で指示 |
| 8 | 電車内 | AIから「作業開始」の通知 |
| 8 | 電車内 | AIから「PR作成完了」の通知 |
| 8 | 電車内 | スマホでDiffを確認、マージ |
| 8 | 会社到着 | もうバグは修正済み |
「ログイン画面のCSSを確認して。
スマホ表示の時にマージンが消えてるっぽいから修正して。
あと、レスポンシブのテストも追加しておいて」
シチュエーション:散歩中に「あの関数、もっとシンプルに書ける」と思いついた。
「utils/formatDate.tsの関数、もっとシンプルに書けると思う。
日付のパースにはdate-fnsを使うようにリファクタリングして。
既存のテストが通ることを確認してから、新しいテストも追加しておいて」
帰宅後にPCを開くと、すでにリファクタリングされたPRが届いている。
シチュエーション:移動中の車内で、新機能のアイデアを思いついた。
「新しくユーザープロフィール編集機能を作りたい。
components/ProfileEditor.tsxを新規作成して、
名前とメールアドレスを編集できるフォームを作って。
バリデーションも入れておいて。
React Hook Formを使う感じで」
基本的な雛形がPRとして作成される。帰宅後にPCで詳細を調整。
シチュエーション:休日のカフェ。本番障害の連絡が来た。
1. エラーログを確認(Slack/PagerDuty連携)
2. Sledで原因調査を依頼
「本番で500エラーが出てる。api/users/routeの問題っぽい。
エラーログはこれ:[ログのスクショ]」
3. AIが原因特定
「データベース接続のタイムアウト設定が短すぎます。
修正PRを作成しますか?」
4. 修正PRを承認、マージ
5. 障害解消
シチュエーション:PRレビューで「ドキュメントを追加して」とコメントがあった。
「PR #123について、README.mdにAPIの使い方を追記して。
認証方法とエンドポイント一覧を書いて」
| 従来 | Sledあり |
|---|---|
| カフェでPC開く | スマホで指示 |
| Wi-Fiを探す | 4G/5Gで十分 |
| 重いPCを持ち歩く | スマホだけでOK |
| 電車ではコーディング不可 | 電車でも開発可能 |
以下のタスクはSledに丸投げできます。
| タスク | Sledへの指示例 |
|---|---|
| 文言修正 | 「〇〇を△△に置換して」 |
| 型定義の追加 | 「この関数にTypeScriptの型を追加して」 |
| テスト追加 | 「この関数にユニットテストを追加して」 |
| リファクタリング | 「この関数をもっとシンプルに」 |
| バグ修正 | 「このエラーを修正して」 |
| ドキュメント追加 | 「READMEを書いて」 |
本業の合間や移動時間に、個人開発プロジェクトを進められます。
| 時間 | 従来 | Sledあり |
|---|---|---|
| 朝の通勤30分 | ニュースを見る | 個人開発を進める |
| 昼休み1時間 | 休憩 | 機能追加 |
| 夜の移動30分 | SNSを見る | バグ修正 |
Sledは「タスク単位の修正」に最適ですが、以下は人間の手が必要です。
| タスク | Sledの対応可否 |
|---|---|
| 単純なバグ修正 | ◎ |
| 機能追加(雛形) | ◎ |
| リファクタリング | ○ |
| 新規アーキテクチャ設計 | △ |
| 大規模リファクタリング | ✗ |
| セキュリティクリティカルなコード | △(要レビュー) |
AIが書いたコードを盲目的にマージするのは危険です。
Sledに頼りすぎると、自分でコードを書く力が落ちる可能性があります。
対策:単純作業はSledに任せ、設計やアルゴリズムは自分で考える
SledはGitHub Appとしてインストールされます。
| 権限 | 設定 |
|---|---|
| リポジトリアクセス | 特定のリポジトリのみに制限可能 |
| ブランチ保護 | mainへの直接pushは禁止可能 |
| PR権限 | PR作成のみ、マージは人間が承認 |
| Read/Write | 必要なリポジトリにのみ付与 |
| 項目 | 対応 |
|---|---|
| 通信暗号化 | TLS 1.3 |
| 保存時暗号化 | AES-256 |
| 学習への利用 | オプトアウト可能(Proプラン以上) |
| データ保持 | 処理後14日で削除(設定可能) |
| SOC 2 | 認証取得済み |
エンタープライズ向けには、以下の対応も可能です。
GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetといった最新モデルを使用しているため、コードの品質は非常に高いです。
| タスクタイプ | 精度 | 備考 |
|---|---|---|
| 単純な修正 | 95%+ | ほぼそのままマージ可能 |
| 新規機能追加 | 85%+ | 微調整が必要な場合あり |
| リファクタリング | 80%+ | 意図の確認が必要 |
| 複雑なロジック | 70%+ | 人間のレビュー必須 |
| コツ | 詳細 |
|---|---|
| 具体的に指示 | 「〇〇ファイルの△△関数を...」 |
| コンテキストを提供 | 「バグの再現手順は...」 |
| 制約を明示 | 「既存のスタイルを維持して」 |
| 段階的に依頼 | 一度に大きな変更を求めない |
| 機能 | Free | Pro | Team |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | $20/月 | $50/ユーザー/月 |
| 月間リクエスト | 50回 | 無制限 | 無制限 |
| リポジトリ | パブリックのみ | プライベート対応 | プライベート対応 |
| AIモデル | GPT-4o mini | GPT-4o / Claude 3.5 | GPT-4o / Claude 3.5 |
| 優先処理 | × | ◎ | ◎ |
| チーム機能 | × | × | ◎ |
| 監査ログ | × | × | ◎ |
| SSO | × | × | ◎ |
月額$20(約3,000円)で無制限に使えるProプランは、時給換算で考えるとコスパ抜群です。
| 試算 | 結果 |
|---|---|
| エンジニアの時給(仮) | 5,000円 |
| Sledで節約できる時間/月 | 10時間(保守見積もり) |
| 節約コスト | 50,000円/月 |
| Sledの月額 | 3,000円 |
| ROI | 約17倍 |
| 項目 | Sled | GitHub Copilot | Cursor | Devin | Cline |
|---|---|---|---|---|---|
| 形態 | モバイルアプリ | IDE拡張 | IDE | AIエージェント | IDE拡張 |
| デバイス | スマホメイン | PC | PC | PC | PC |
| 操作方法 | 自然言語指示 | コード補完 | チャット&編集 | 自然言語指示 | チャット |
| 実行主体 | AIエージェント | 人間+AI補助 | 人間+AI補助 | AIエージェント | 人間+AI補助 |
| PR自動作成 | ◎ 自動 | × 手動 | × 手動 | ◎ 自動 | × 手動 |
| Issue連携 | ◎ | × | × | ◎ | × |
| オフライン | × | △ | × | × | × |
| 料金 | $0-50 | $10-19 | $20-40 | $500+ | 無料 |
IDE内でのコード補完に特化。
向いている人:普段IDEでコーディングする人
AIネイティブなIDE。
向いている人:PC前でAIと対話しながら開発したい人
完全自律型AIエンジニア。
向いている人:開発チームの生産性を劇的に上げたい企業
従来:コーディング = キーボードでコードを打つ
将来:コーディング = AIに何を作るか指示する
| 従来重視 | 今後重視 |
|---|---|
| タイピング速度 | 要件定義力 |
| 言語の文法記憶 | 問題分解力 |
| デバッグスキル | AIへの指示力(プロンプトエンジニアリング) |
| 書く速さ | 設計力、レビュー力 |
Sledに任せるべきタスク
人間がやるべきタスク
Sledのようなツールが普及しても、基礎力は必要です。
| 学ぶべきこと | 理由 |
|---|---|
| プログラミングの基礎 | AIの出力を理解・修正できる |
| アルゴリズム | AIに正しく指示できる |
| 設計原則 | 良い設計をレビューで判断できる |
| セキュリティ | AIの穴を見つけられる |
| 設定項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 通知 | ON(PR完了、エラー時に通知) |
| AIモデル | GPT-4o(精度重視)or Claude 3.5(コスト重視) |
| デフォルトブランチ | 自動(mainから分岐) |
| PR自動マージ | OFF(レビュー必須) |
| 言語設定 | 日本語 |
まずは簡単なタスクで試してみましょう。
「README.mdに、今日の日付を追記して」
これだけで、AIがPRを作成します。Diffを確認し、マージしてみてください。
A. はい、日本語での指示に対応しています。音声入力も日本語で可能です。ただし、コード内のコメントは英語で生成されることが多いです。
A. Proプラン以上で対応しています。Freeプランはパブリックリポジトリのみです。
A. 単純な修正は高精度ですが、複雑なロジックや大規模なリファクタリングは精度が落ちます。その場合は、タスクを分割して指示することをおすすめします。
A. GitHub Appとして最小限の権限で動作し、コードは暗号化されて処理されます。SOC 2認証も取得しています。機密性が高いプロジェクトにはエンタープライズ版(オンプレミス対応)もあります。
A. 2026年1月時点ではベータ版として提供中です。Bitbucketも今後対応予定です。
A. 月50リクエストまで、パブリックリポジトリで利用可能です。個人の趣味プロジェクトなら十分使えます。
A. レビュー画面でDiffを確認し、修正指示を出すか、PRを閉じることができます。自動マージはデフォルトでOFFなので、必ず人間のレビューが入ります。
A. Teamプラン($50/ユーザー/月)でチーム機能が使えます。共有リポジトリ、権限管理、監査ログなどが利用可能です。
A. 指示の送信と結果の受信にはインターネット接続が必要です。ただし、過去のPR履歴の閲覧はオフラインでも可能です。
A. はい、AIが作成したPRに対して、通常通りGitHub ActionsなどのCI/CDが実行されます。テスト失敗時は通知が届きます。
この記事では、スマホからAIエージェントに指示を出すハンズフリーコーディングツール「Sled」について詳しく解説しました。
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