
「26卒は超売り手市場だから、就活は楽勝でしょ?」
確かに、数字だけを見ればその通りです。2026年卒の大卒求人倍率は1.66倍。これは、学生1人あたり1.66社の求人があるという意味です。企業の採用意欲は高く、多くの企業が「人が採れない」と嘆いています。
しかし、「売り手市場=誰でも簡単に内定が取れる」ではありません。
実は、売り手市場には3つの落とし穴があります。
つまり、売り手市場だからこそ**「戦略的に動く学生」と「なんとなく動く学生」の差が開く**のです。
この記事では、26卒の採用市場のリアルなデータを分析し、売り手市場を味方につけて「納得内定」を勝ち取るための5つの戦略を解説します。
まず、26卒の採用市場を数字で確認しましょう。
| 項目 | 26卒 | 25卒(前年) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 大卒求人倍率 | 1.66倍 | 1.75倍 | ▲0.09pt |
| 求人総数 | 76.5万人 | 79.7万人 | ▲4.1% |
| 民間企業就職希望者数 | 46.1万人 | 45.5万人 | +1.3% |
求人倍率は前年から微減していますが、依然として1.5倍を超える高水準を維持しています。これはコロナ禍からの回復傾向が続いていることを示しています。
全体の求人倍率だけを見ると「楽勝」に見えますが、企業規模別に見ると景色が一変します。
| 企業規模 | 求人倍率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 従業員300人未満 | 8.98倍 | +2.48pt |
| 300〜999人 | 1.60倍 | ▲0.27pt |
| 1000〜4999人 | 1.14倍 | ▲0.07pt |
| 5000人以上 | 0.34倍 | ±0.00pt |
このデータが意味することは非常に重要です。
中小企業(300人未満)では求人倍率が約9倍。つまり、学生1人に対して9社が「うちに来てほしい」と手を挙げている状態です。人材獲得競争は熾烈を極めています。
一方、大企業(5000人以上)では求人倍率が0.34倍。学生3人に対して1社しか求人がありません。つまり、大企業は依然として狭き門なのです。
企業側の意識調査も見てみましょう。
26卒の採用見通しについて
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 非常に厳しくなる | 28.3% |
| 多少厳しくなる | 49.8% |
| 変わらない | 18.2% |
| やや楽になる | 3.1% |
| 楽になる | 0.6% |
実に78.1%の企業が「厳しくなる」と回答しています。企業は強い危機感を持って採用活動に臨んでいます。
さらに深刻なのが採用充足率の低下です。
25卒採用において、内定式前(9〜10月)までに採用計画を充足できた企業は**70.0%**にとどまり、3年連続で減少。過去最低水準を記録しました。
また、「量・質ともに満足」と回答した企業はわずか22.5%。多くの企業が採用目標の達成に苦慮しています。
数字だけを見れば「学生に有利」な市場に見えますが、実は売り手市場だからこその落とし穴があります。
売り手市場であっても、人気企業の倍率は高いままです。
大企業(5000人以上)の求人倍率は0.34倍。これは、3人に1人しか内定を取れない計算です。さらに、その中でも「人気企業」に応募が集中するため、実際の競争率はさらに高くなります。
人気企業ランキング(26卒・文系)
人気企業ランキング(26卒・理系)
これらの企業は、売り手市場であろうと関係なく厳しい選考を勝ち抜く必要があります。
売り手市場では、**「とりあえず内定をもらえればいい」**という意識に陥りやすくなります。
しかし、自分に合わない会社に入社してしまうと、早期離職のリスクが高まります。
新卒3年以内の離職率は約30%。この数字は長年変わっていません。売り手市場でも、ミスマッチによる離職は減っていないのです。
「売り手市場だから大丈夫」という油断が、準備不足につながります。
実際、採用担当者からは以下のような声が上がっています。
「志望動機が薄い学生が増えた。うちでなくても良さそうに見える。」 「売り手市場を知っているからか、準備が足りない学生が目立つ。」
売り手市場だからこそ、しっかり準備した学生との差が際立つのです。
では、売り手市場を味方につけて納得内定を勝ち取るにはどうすればいいのでしょうか。ここからは、5つの戦略を解説します。
売り手市場では選択肢が多いからこそ、「自分の軸」を持つことが重要です。
以下の3つの観点から、自分の軸を言語化しましょう。
| 観点 | 問いかけ |
|---|---|
| やりたいこと | どんな仕事に興味があるか?何をしている時にワクワクするか? |
| なりたい姿 | 5年後、10年後にどんな人材になっていたいか? |
| 譲れない条件 | 勤務地、給与、働き方で絶対に譲れないものは何か? |
軸が明確になれば、**「この企業は自分の軸に合っているか」**という視点で企業を選べます。
人気企業を目指すなら、売り手市場だからといって油断してはいけません。
ES(エントリーシート)
Webテスト
面接
グループディスカッション
求人倍率8.98倍の中小企業は、**ある意味で「ブルーオーシャン」**です。
ただし、「どこでもいい」で受けるのではなく、戦略的に選びましょう。
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 財務の健全性 | 売上・利益の推移、自己資本比率 |
| 離職率 | 口コミサイト、OB・OG訪問 |
| 業界でのポジション | ニッチトップか、成長市場か |
| 働き方 | 残業時間、有給取得率 |
| 社風 | インターンシップ、会社見学 |
大企業にはないメリットを理解した上で選べば、納得のいくキャリアを築けます。
26卒のZ世代は、「失敗したくない」という意識が非常に強い傾向にあります。
そのため、**入社前に企業の「リアル」を徹底的に調べる「ネタバレ就活」**が活発化しています。
| 手段 | 得られる情報 |
|---|---|
| インターンシップ参加 | 仕事内容、社風、社員の雰囲気 |
| OB・OG訪問 | 働き方のリアル、本音ベースの話 |
| 口コミサイト | 退職者の声、年収情報 |
| SNS | 社員の日常、企業文化 |
| IR情報・ニュース | 業績、経営方針、将来性 |
売り手市場では、複数内定を獲得する学生が増えています。
その場合、「どの企業に入社するか」を慎重に決めることが大切です。
内定者懇親会に参加する
社員との座談会を依頼する
労働条件を確認する
家族や信頼できる人に相談する
売り手市場では、企業も必死に学生を獲得しようとしています。企業の動きを知ることで、就活を有利に進められます。
人材獲得競争の激化により、初任給の引き上げが加速しています。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 初任給を引き上げた企業 | 88.8% |
| 3年連続で引き上げた企業 | 3割超 |
初任給30万円超えの企業も増加しています。給与水準は企業選びの重要な要素の一つです。
企業は優秀な学生を早く囲い込むため、選考を前倒ししています。
| 時期 | 対面面接を開始した企業の割合(26卒見込み) |
|---|---|
| 卒業年次前年2月まで | 51.2% |
| 3月 | 25.3% |
| 6月以降 | 23.5% |
半数以上の企業が2月までに選考を開始する見込みです。早く動き始めることが重要です。
インターンシップは学生との接点を持つ最重要施策となっています。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| インターンシップ実施率 | 61.9%(過去最高) |
インターンシップ参加が早期選考につながるケースが増えているため、参加必須と考えるべきです。
内定辞退を防ぐため、内定後のフォローを強化する企業が増えています。
効果的な内定者フォロー施策(企業調査)
これらの施策は、入社後のイメージを持たせ、不安を解消することが目的です。学生としては、これらの機会を積極的に活用しましょう。
複数内定を獲得した場合、最終的にどの企業に入社するかを決断する必要があります。
以下の観点から、各企業を比較しましょう。
| 観点 | チェック項目 |
|---|---|
| 仕事内容 | やりたいことができるか、成長できるか |
| 働き方 | 勤務地、残業、リモートワークの可否 |
| 待遇 | 給与、福利厚生、昇給・昇進の仕組み |
| 社風・人 | 一緒に働きたいと思える人がいるか |
| 将来性 | 業界・企業の成長性、自分のキャリアパス |
それでも迷う場合は、以下を試してみてください。
「10年後の自分」をイメージする
「入社初日」をイメージする
信頼できる人に相談する
入社しないと決めた企業には、誠実に内定辞退の連絡をしましょう。
内定辞退の連絡方法
最後に、26卒就活に臨むにあたっての心構えをお伝えします。
「売り手市場だから大丈夫」と油断すると、準備不足で痛い目を見ます。本気で準備した学生との差は、売り手市場でも開きます。
内定はスタートラインです。「この会社で働きたい」と心から思える企業に入社することが真のゴールです。
売り手市場はいつまでも続きません。不景気になれば、一瞬で買い手市場に転じます。どんな市場環境でも選ばれる人材になることを意識しましょう。
就活は大変ですが、様々な企業や社会人と出会える貴重な機会でもあります。辛いことばかりに目を向けず、新しい発見や出会いを楽しむ姿勢も大切です。
本記事では、26卒の採用市場を分析し、売り手市場を味方につける戦略を解説しました。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 大卒求人倍率 | 1.66倍 |
| 中小企業(300人未満)の倍率 | 8.98倍 |
| 大企業(5000人以上)の倍率 | 0.34倍 |
| 採用が「厳しくなる」と回答した企業 | 78.1% |
売り手市場は確かにチャンスです。しかし、そのチャンスを活かせるかどうかは、あなた次第です。
この記事を参考に、売り手市場を味方につけ、納得のいく内定を勝ち取ってください。
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