
「ChatGPTで書いたESってバレますか?」
2026年の就活において、これは最も多く聞かれる質問の一つです。
結論から言えば、**「下手な使い方はバレる。しかし、上手に使えば武器になる」**というのが答えです。
最新の調査によると、25卒学生の半数以上がES作成で生成AIを利用した経験があります。26卒ではこの数字がさらに上昇していることは間違いありません。
一方、企業側もこの変化に対応を始めています。ロート製薬のようにES選考を完全廃止する企業、生成AI活用を公式にOKとする企業など、選考プロセスのパラダイムシフトが起きています。
この記事では、生成AI時代のエントリーシート戦略を徹底解説します。AIの活用法から、企業が本当に評価しているポイント、そして「人間らしさ」の出し方まで、新時代の選考突破術をお伝えします。
ChatGPTをはじめとする生成AIの普及により、**応募書類の均質化(コモディティ化)**が急速に進んでいます。
生成AIを使えば、誰でも「それらしい」志望動機やガクチカを作成できるようになりました。その結果、以下の問題が発生しています。
| 課題 | 詳細 |
|---|---|
| 候補者の均質化 | 提出されるESが「優等生的な回答」ばかりになり、個性や思考力の差が見えにくい |
| 「AI vs AI」の非効率 | 学生がAIで作成したESを、企業側もAIで処理する構図が発生 |
| 面接での「実力乖離」 | AIに依存したESで通過した学生が、面接で「自分の言葉で話せない」ケースが頻発 |
実際に、採用担当者からは以下のような声が上がっています。
「最近のESは、どれも似たような文章が並んでいます。『多角的な視点から』『主体的に取り組み』といったAI特有の言い回しを見ると、読む気が失せますね。」(IT企業 人事マネージャー)
「ESは完璧なのに、面接では全く深掘りに答えられない学生が増えました。『それ、本当にあなたの経験?』と聞きたくなることも。」(総合商社 採用担当)
この変化に対応するため、先進企業は**「脱・文章偏重」**を掲げ、新たな選考手法へシフトしています。
ロート製薬の「Entry Meet採用」
ロート製薬は、ES選考を完全に廃止し、選考の第一ステップを**「人事担当者との15分間の対話」**に変更しました。
30秒〜1分程度の自己PR動画を提出させ、話し方や雰囲気といった非言語情報を評価に組み込む動きが拡大しています。
**「当社の新サービスの改善案を提示せよ(AI使用可)」**といった実践的な課題を課し、AIを活用して質の高いアウトプットを生み出す能力を評価する企業も増えています。
では、企業は学生の生成AI活用をどう見ているのでしょうか。
| 企業の回答 | 割合 |
|---|---|
| 問題ない・積極的に活用すべき | 約7割 |
| ケースバイケース | 約2割 |
| 好ましくない | 約1割 |
約7割の企業が生成AI活用に対して容認姿勢を示しています。
ただし、これは**「丸投げOK」という意味ではありません**。企業が評価しているのは以下の点です。
生成AIを使ったESが「バレる」のは、どのようなケースでしょうか。ここでは、採用担当者が見抜くポイントを解説します。
以下のような表現は、AIが生成しがちな「テンプレート表現」です。
バレやすい表現の例
| NG表現 | 理由 |
|---|---|
| 「多角的な視点から」 | 抽象的すぎて具体性がない |
| 「主体的に取り組み」 | 誰でも言える当たり障りのない表現 |
| 「〜を通じて貢献したいと考えます」 | 締めの定型文として多用されすぎ |
| 「この経験から〇〇を学びました」 | 学びの言語化が表面的 |
| 「御社の理念に共感し」 | 具体的な共感ポイントが不明 |
これらの表現は、**「誰が書いても同じ文章」**になりがちです。採用担当者は数百〜数千のESを読むため、テンプレート表現はすぐに見抜きます。
AIは**「一般論」は得意ですが、「あなただけの具体的な体験」は書けません**。
バレやすいESの特徴
ESで通過しても、面接で化けの皮が剥がれるケースが増えています。
面接で詰まる典型パターン
AIに頼りすぎると、自分の経験を自分の言葉で語れなくなります。これは致命的です。
では、生成AIをどう活用すれば「武器」になるのでしょうか。ここでは、実践的なES作成術を解説します。
大前提として、AIに「書かせる」のではなく、AIと「一緒に考える」姿勢が重要です。
まず、AIを使う前に自分の原体験をリストアップしましょう。
体験をリストアップしたら、AIに深掘りしてもらいます。
プロンプト例
あなたは就活のプロのキャリアアドバイザーです。
私はXX大学3年生で、就活のエントリーシートを書いています。
以下の経験について、深掘りの質問をしてください。
「飲食店のアルバイトで、売上を20%向上させた経験」
・なぜその行動を取ったのか
・具体的に何をしたのか
・他にどんな選択肢があったのか
・何が一番難しかったのか
・この経験から何を学んだのか
上記の観点から、5つの質問をしてください。
AIからの質問に答えていくことで、**自分でも気づかなかった「強み」や「動機」**が見えてきます。
深掘りが完了したら、構成案を作成してもらいます。
プロンプト例
以下の内容を、STAR法(Situation, Task, Action, Result)で構成してください。
文字数は400字です。
【経験】
・飲食店のアルバイトで売上を20%向上
・具体的には、SNSでの発信を提案・実行
・最初は店長に反対されたが、データを示して説得
・結果、インスタ経由の来店が月50件に
【アピールしたい強み】
・課題発見力
・周囲を巻き込む力
ここが最も重要です。 AIが出力した文章を、そのまま使ってはいけません。
目的によって、使うAIモデルを使い分けると効果的です。
| 目的 | おすすめモデル | 理由 |
|---|---|---|
| 論理構成を作る | ChatGPT (GPT-4o) | 論理的な構成が得意 |
| 自然な日本語で書く | Claude 3.5 Sonnet | 日本語の文章力が高い |
| 企業情報を調べる | Gemini / Perplexity | Web検索と連動 |
| ESを管理する | Notion AI | データベース化が可能 |
ESの最終チェックとして、以下を確認しましょう。
人間らしさチェックリスト
生成AIの普及を受けて、ES選考そのものを廃止・見直す企業が増えています。
ES選考を廃止する企業の狙いは、主に以下の3点です。
| 狙い | 詳細 |
|---|---|
| 採用ブランディング | 「ES不要」「AI活用OK」は、変化に対応できる企業イメージを構築 |
| 候補者体験(CX)の向上 | ES執筆の負担軽減で、学生からの評価が上がる |
| ミスマッチの低減 | 対話や実務テストで、入社後のパフォーマンスに近い評価が可能 |
ES廃止企業は、代わりに以下の選考手法を採用しています。
ES廃止企業に応募する場合も、準備は必要です。
25卒学生を対象とした調査では、以下の結果が出ています。
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 就活で生成AIを使用した | 34.5% |
| 前年からの増加 | +20pt |
今後、この数字はさらに上昇することが予想されます。
生成AIに頼りすぎた結果、就活で失敗したケースも報告されています。
「ESはAIで完璧に仕上げたのに、面接で『もう少し詳しく』と聞かれた瞬間、頭が真っ白になりました。自分の経験なのに、自分の言葉で説明できなかったんです。」
「AIが出力した企業情報をそのまま信じて志望動機を作ったら、面接官に『それは違いますよ』と指摘されました。恥ずかしくて、その後のパフォーマンスがガタ落ちでした。」
「AIで効率化できると思って、全社同じESを使い回したら、全滅しました。企業ごとのカスタマイズが全くできていなかったんです。」
生成AIの登場により、「文章を書く力」の価値は相対的に低下しました。
これからの就活で評価されるのは、以下の能力です。
| 評価軸 | 詳細 |
|---|---|
| 課題発見力 | 何が問題なのかを見抜く力 |
| 論理的思考力 | 筋道を立てて考える力 |
| コミュニケーション力 | 自分の考えを伝える力 |
| AIリテラシー | AIを適切に使いこなす力 |
| 人間らしさ | 共感力、情熱、オリジナリティ |
企業が求めているのは、**「AIに仕事を奪われる人材」ではなく「AIを使いこなして成果を出せる人材」**です。
就活においても、AIを上手に活用すること自体が評価対象になりつつあります。
本記事では、生成AI時代のエントリーシート戦略を解説しました。
ES選考は形骸化しつつある
企業の約7割はAI活用を容認
AIは「書く」ではなく「考える」パートナー
「人間らしさ」が最大の差別化要因
生成AIは敵ではなく、最強の味方です。正しく使いこなして、選考を突破しましょう。
SHARE THIS ARTICLE