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自己理解

感情ログの科学的効果とは?脳科学・心理学から解説する「書く」ことのメリット

2026年1月9日
Cheese Editorial Team
5分で読めます
感情ログの科学的効果とは?脳科学・心理学から解説する「書く」ことのメリット

はじめに:なぜ「書く」と楽になるのか

「今日あった嫌なことを紙に書いたら、少しスッキリした」

こんな経験はありませんか?実は、この「書くことで気持ちが楽になる」という現象には、科学的な裏付けがあります。

この記事では、感情ログ(ジャーナリング)の効果を、心理学と脳科学の観点から解説します。


エクスプレッシブ・ライティングとは

Pennebaker博士の画期的研究

感情を書き出すことの効果を科学的に実証したのは、テキサス大学のジェームズ・ペネベーカー(James Pennebaker)博士です。

1986年に発表された彼の研究では、参加者を2つのグループに分けました。

  • 実験群: 4日間、毎日15〜20分、トラウマ体験や深い感情について書く
  • 対照群: 4日間、毎日15〜20分、表面的な日常の出来事について書く

その結果、実験群の参加者は、その後6ヶ月間で病院を訪れる回数が有意に減少しました。

なぜ効果があるのか?

ペネベーカー博士は、感情を言語化することで以下の効果があると説明しています。

  1. 抑制の解放: 感情を抑え込むことは、認知的・生理的なコストがかかる。書くことでこの抑制が解放される。
  2. 認知的再構成: 書くことで、混沌とした感情に「構造」が与えられ、整理される。
  3. 意味づけ: 出来事に意味を見出すことで、心理的な処理が進む。

脳科学から見た感情ログの効果

扁桃体の活動が低下する

感情を言語化すると、脳の中で何が起きているのでしょうか?

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究によると、感情にラベルをつける(言語化する)と、扁桃体の活動が低下することが分かっています。

扁桃体は、恐怖や不安といったネガティブな感情を処理する脳の部位です。感情を書き出すことで、この扁桃体の過剰な反応が抑えられ、冷静さを取り戻せるのです。

前頭前皮質が活性化する

同時に、言語化には前頭前皮質の活動が必要です。前頭前皮質は、論理的思考や意思決定を司る脳の部位。

つまり、感情を書き出すことで:

  • 感情脳(扁桃体) の暴走を抑え
  • 理性脳(前頭前皮質) を活性化させる

このバランスが、「書くとスッキリする」という感覚の正体です。


感情ログの具体的なメリット

1. ストレスホルモンの低下

複数の研究で、エクスプレッシブ・ライティングを行った群は、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが低下したことが報告されています。

慢性的なストレスは、免疫力の低下、睡眠障害、集中力の欠如など、様々な悪影響を引き起こします。感情ログは、このストレスを軽減する手軽な方法です。

2. ワーキングメモリの解放

頭の中でグルグルと同じ悩みを考え続けていませんか?これは「反芻(はんすう)」と呼ばれ、メンタルヘルスに悪影響を与えます。

感情を外に書き出すことで、ワーキングメモリが解放されます。結果として、他のタスクへの集中力が向上し、問題解決能力も高まります。

3. 免疫機能の向上

ペネベーカー博士の研究では、感情について書いたグループは、免疫機能の指標が向上したことも報告されています。

心と体は繋がっている。感情を適切に処理することで、身体的な健康にもポジティブな影響があるのです。

4. 自己理解・メタ認知能力の向上

定期的に自分の感情を振り返ることで、メタ認知能力(自分を客観視する力)が向上します。

「自分はこういう状況で怒りを感じやすい」「この種の仕事にワクワクする」といったパターンが見えてくると、自己コントロールも上手になります。


感情ログを効果的に行うためのポイント

科学的な知見に基づくと、感情ログの効果を最大化するには以下のポイントがあります。

1. 正直に書く

表面的な記述ではなく、本当に感じていることを書く。取り繕う必要はありません。

2. 継続する

効果が出るまでには時間がかかります。最低でも2週間、できれば1ヶ月以上続けてみましょう。

3. 読み返す(振り返る)

書きっぱなしではなく、週に1回は読み返す。パターンを発見することで、自己理解が深まります。

4. AIを活用する

Asoventure CheeseなどのAIツールを使うと、客観的なフィードバックが得られ、一人で気づけないパターンを発見できます。


まとめ:感情ログは「脳のセルフケア」

感情を書き出すことは、単なる日記ではありません。

  • 扁桃体の過剰反応を抑え
  • 前頭前皮質を活性化し
  • ストレスホルモンを低下させ
  • ワーキングメモリを解放し
  • 自己理解を深める

「書く」という行為は、脳にとって最高のセルフケアなのです。

今日から5分、自分の感情と向き合ってみませんか?


参考文献

  • Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274-281.
  • Lieberman, M. D., et al. (2007). Putting Feelings into Words: Affect Labeling Disrupts Amygdala Activity in Response to Affective Stimuli. Psychological Science, 18(5), 421-428.
  • Baikie, K. A., & Wilhelm, K. (2005). Emotional and physical health benefits of expressive writing. Advances in Psychiatric Treatment, 11(5), 338-346.

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アソベンチャー・チーズ編集部。日々の感情ログとAI分析で「隠れた強み」と「価値観」を可視化するキャリアスタジオを運営しています。

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