
「せっかく内定をもらったのに、配属先が希望と全然違った…」
これは「配属ガチャ」と呼ばれる現象で、多くの新卒社員が入社直後に経験する大きなストレスの一つです。2025年の調査では、新卒社員の42%が配属先に不満を持ち、そのうち28%が1年以内に転職を検討したというデータがあります(リクルートキャリア調べ)。
しかし、この「配属ガチャ」を完全に回避する方法があります。それがジョブ型採用と勤務地確約採用です。
この記事では、従来のメンバーシップ型雇用と比較しながら、ジョブ型採用のメリット・デメリット、導入企業の探し方、そして選考突破のために必要な準備を徹底解説します。
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まず、日本の伝統的な雇用形態であるメンバーシップ型雇用について理解しましょう。
メンバーシップ型雇用とは、「会社の一員(メンバー)」として採用される形態です。具体的な特徴は以下の通りです。
このモデルでは、「何でもやります、どこへでも行きます」という姿勢が求められます。安定と引き換えに、キャリアの自己決定権を会社に委ねる形になります。
一方、ジョブ型雇用は欧米を中心に普及している雇用形態で、「特定の仕事(ジョブ)」に対して採用される形態です。
| 項目 | メンバーシップ型 | ジョブ型 |
|---|---|---|
| 採用基準 | ポテンシャル・人柄 | スキル・実績 |
| 配属 | 会社が決定 | 入社前に確定 |
| 評価基準 | 勤続年数・態度 | 成果・専門性 |
| 異動 | 頻繁にあり | 原則なし |
| キャリア | ジェネラリスト | スペシャリスト |
| 雇用安定性 | 高い(終身雇用) | 職種依存 |
2026年現在、日本企業でもジョブ型採用を導入する動きが加速しています。その背景には以下の要因があります。
企業側の理由
学生側の理由
経団連の調査によると、**大手企業の約35%**が何らかの形でジョブ型採用を導入または検討中とのことです(2025年調査)。
勤務地確約採用とは、入社時点で勤務地が確定している採用形態です。「東京本社配属確約」「大阪支社配属確約」といった形で募集されます。
この採用形態のメリットは以下の通りです。
「地域限定社員」という似た制度がありますが、勤務地確約採用とは異なる点があります。
| 項目 | 勤務地確約採用 | 地域限定社員 |
|---|---|---|
| 入社時点 | 勤務地が確定 | エリア内での異動あり |
| 給与水準 | 総合職と同等の場合も | 総合職より10〜20%低いことが多い |
| 昇進 | 制限なしの場合も | 上限があることが多い |
| 対象範囲 | 特定の拠点 | 地方ブロック(例:関東エリア) |
勤務地確約採用は、総合職と同等の待遇で勤務地だけが確定するケースが増えています。一方、地域限定社員は給与や昇進に制限がかかることが一般的です。
「確約」と言っても、会社の経営状況によっては拠点閉鎖や組織再編で異動が生じる可能性はあります。
入社前に「確約の条件」を必ず確認しましょう。
1. 配属リスクがない 最大のメリットは、入社前に職種・勤務地が確定していることです。「希望と違う部署に配属された」という事態を避けられます。
2. 専門性を深められる 同一職種でキャリアを積むため、スペシャリストとしての成長が見込めます。市場価値の高いスキルを身につけやすい環境です。
3. 成果が正当に評価される 年功序列ではなく、職務遂行能力や成果で評価されます。若くても実力があれば高い評価を得られます。
4. ワークライフバランスが取りやすい 転勤がないため、ライフプランが立てやすく、プライベートとの両立がしやすいという声もあります。
1. 職種がなくなれば居場所がなくなる 担当していた職種や事業が縮小・廃止された場合、解雇や配置転換のリスクがあります。終身雇用の安心感はありません。
2. スキルの陳腐化リスク 特定のスキルに特化するため、そのスキルが市場で求められなくなった場合、キャリアの転換が難しくなります。
3. 未経験からの挑戦が難しい 新卒でも「即戦力」が求められるため、学生時代の実績やスキルが選考で重視されます。ポテンシャル採用ではありません。
4. 給与が成果連動になる可能性 成果主義のため、成果が出せなければ給与が上がりにくい、または下がる可能性もあります。
ジョブ型雇用では、スキルの継続的なアップデートが不可欠です。「入社したら安泰」ではなく、常に学び続ける姿勢が求められます。
多くの企業が、採用ページで「コース別採用」「職種別採用」「勤務地限定採用」といった形で情報を公開しています。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
リクナビ、マイナビなどの就活サイトでは、「職種別採用」「勤務地確約」などのフィルターで検索できます。
おすすめの検索キーワード
OfferBoxやirodasなどの逆求人サイトでは、あなたのスキルや志向に合った企業からスカウトが届きます。ジョブ型採用に積極的な企業からのオファーを受けやすいメリットがあります。
採用情報だけでは分からないことも多いので、説明会や面接で以下の点を確認しましょう。
確認すべき質問例
メンバーシップ型の総合職採用では「ポテンシャル」や「人柄」が重視されますが、ジョブ型採用では具体的なスキルと実績が求められます。
「エンジニアコース」に応募するなら、プログラミングスキル。「マーケティングコース」なら、マーケティングの実務経験。未経験歓迎の総合職とはハードルが違います。
ジョブ型採用で内定を獲得するために、以下の準備を進めましょう。
1. ポートフォリオの作成 制作物や成果物をまとめたポートフォリオは必須です。エンジニアならGitHub、デザイナーならBehance、マーケターならブログや分析レポートなど、職種に応じた形式で準備しましょう。
2. 長期インターン経験 実務経験として最も評価されるのが長期インターンです。3ヶ月以上の実務経験があると、選考で大きなアドバンテージになります。
3. 関連資格の取得 職種によっては資格が評価されます。例えば、ITパスポート、基本情報技術者、TOEIC、ウェブ解析士などです。
4. 個人プロジェクト 自主的に取り組んだプロジェクトも評価対象です。アプリ開発、SNS運用、イベント企画など、「自分で考えて行動した経験」をアピールしましょう。
「大学2年から長期インターンでWebマーケティングを経験。GA4やリスティング広告の運用実績をポートフォリオにまとめ、大手IT企業のマーケティング職(ジョブ型採用)で内定を獲得しました」
以下のチェックリストで、自分の準備状況を確認しましょう。
2026年現在、ジョブ型採用を積極的に導入している企業を紹介します。(※採用情報は変更される可能性があるため、最新情報は各社の採用ページでご確認ください)
| 企業名 | 職種例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ソニーグループ | エンジニア、デザイナー | コース別採用、配属確約 |
| 富士通 | SE、コンサル | ジョブ型人事制度を全面導入 |
| 日立製作所 | 技術職、研究職 | ジョブ型インターンあり |
| 楽天グループ | エンジニア、ビジネス職 | 職種別採用 |
| サイバーエージェント | エンジニア、クリエイター | 新卒年収1000万円コースも |
| 企業名 | 職種例 | 特徴 |
|---|---|---|
| アクセンチュア | コンサルタント、エンジニア | 部門別採用 |
| デロイト トーマツ | 各専門領域別 | グローバル採用 |
| PwC | 監査、コンサル、Tax | 職種別選考 |
| 企業名 | 職種例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | デジタル人材コース | 専門職採用を拡大 |
| 野村證券 | 投資銀行部門 | 部門別採用 |
| 三井住友海上 | アクチュアリー | 専門職採用 |
| 企業名 | 職種例 | 特徴 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 技術職 | 職種別採用 |
| パナソニック | 事業会社別採用 | 配属確約 |
| KDDI | エンジニア職 | コース別採用 |
どちらが良い・悪いではなく、自分の価値観や志向に合った選択をすることが重要です。
A. はい、受けられます。近年は新卒向けのジョブ型採用を実施する企業が増えています。ただし、総合職採用より選考倍率が高く、スキルや実績が求められることが多いです。
A. 企業によります。ジョブ型雇用の原則では職種変更は想定されていませんが、本人の希望と実力次第で社内転職ができる企業もあります。入社前に確認しておきましょう。
A. 必ずしも下がるとは限りません。従来の「地域限定社員」は給与が低い傾向がありましたが、最近の勤務地確約採用では総合職と同等の待遇の企業も増えています。
A. 主に以下の3点です。①志望職種への熱意と理解、②関連するスキル・実績、③即戦力として活躍できるポテンシャル。ポートフォリオやインターン経験が重要になります。
A. はい、できます。マーケティング職、人事職、法務職、広報職など、文系でも応募できるジョブ型採用は多数あります。ただし、職種に関連するスキルや経験は必要です。
ジョブ型採用・勤務地確約採用は、「配属ガチャ」を回避し、自分のキャリアを自分で決めるための有効な手段です。
しかし、それは同時に**「一生勉強し続ける覚悟」**が求められる道でもあります。会社がキャリアを用意してくれるわけではなく、自分自身で専門性を高め、市場価値を維持し続ける必要があります。
この記事のまとめ
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