
「日本にマンホールはいくつある?」「スタバの1日の売上は?」
コンサルや外資の面接で突然出題される「フェルミ推定」。正解のない問いに、論理的に概算値を導き出すテストです。
フェルミ推定は、正解よりも「減点されないプロセス」が評価されます。
型を覚えれば誰でも解けます。ただし、減点ポイントは人によって違うので、先に自分の「弱点タイプ」を把握してから練習するのが最短ルートです。
**フェルミ推定(Fermi Estimation)**とは、一見すると見当もつかないような数量を、論理的な推論で概算する手法です。
物理学者エンリコ・フェルミが原爆実験で爆発の威力を瞬時に推定したエピソードが名前の由来です。
面接官は、以下の4つの力を見ています。
| 観点 | 見ているポイント |
|---|---|
| 論理的思考力 | 式の作り方に納得感があるか |
| 仮説構築力 | 妥当な前提を置けるか |
| 構造化力 | 漏れ・ダブりなく分解できるか |
| 説明力 | プロセスを簡潔に伝えられるか |
フェルミ推定は「ひらめき」ではなく「型」で解けます。以下の5ステップを使えば、どんな問題にも対応できます。
各ステップに「ここで減点される人が多い」ポイントを付けました。 自分が当てはまっていないかチェックしながら読んでください。
やること: 問題文の曖昧な部分を明確にし、「何を求めるか」を定義する。
例:「日本にある自動車の台数は?」
確認すべきこと:
面接官への確認例:
「自動車は個人所有の乗用車に絞ります。現時点での保有台数として考えてよいでしょうか?」
やること: 答えを導くための計算式を設計する。まだ数字は入れない。
例:乗用車の保有台数
アプローチA(人口ベース):
日本の人口 × 車の所有率 = 保有台数
アプローチB(世帯ベース)※より精緻:
日本の世帯数 × 1世帯あたりの平均保有台数 = 保有台数
「車は世帯単位で保有することが多い」と考えると、世帯ベースの方が実態に近いと判断できます。
やること: 全体を一括で計算せず、特性が異なるグループに分けてより正確な推定を目指す。
例:乗用車の保有台数
「1世帯あたりの保有台数」は地域で大きく異なるので、セグメントに分けます。
| セグメント | 特徴 | 保有台数 |
|---|---|---|
| 都心部(20%) | 電車が便利、駐車場が高い | 0.5台/世帯 |
| 郊外・地方都市(50%) | 車通勤が多い | 1.2台/世帯 |
| 地方・田舎(30%) | 車必須 | 1.8台/世帯 |
よく使う「分け方の切り口」リスト:
やること: 各セグメントに数字を入れて計算する。
重要ルール:計算しやすい数字に丸める
「1億2,400万人」→「1.2億人」のように概算でOK。桁が合っていれば十分です。
例:乗用車の保有台数
【基礎データ】
日本の人口:1.2億人
1世帯あたり:2.4人 → 総世帯数 ≒ 5,000万世帯
【セグメント別】
① 都心部:1,000万世帯 × 0.5台 = 500万台
② 郊外:2,500万世帯 × 1.2台 = 3,000万台
③ 地方:1,500万世帯 × 1.8台 = 2,700万台
【合計】6,200万台
やること: 計算結果が現実的かどうか確認する。
検証の視点:
以下の表で自己採点してください。1つでも0点の項目があれば、その部分が「あなたの失点タイプ」です。
| 観点 | 5点(できる) | 0点(できない) |
|---|---|---|
| 前提確認 | 定義・範囲・期間を先に宣言できる | いきなり計算を始める |
| 式の納得感 | その式になる理由を説明できる | 式が思いつきの羅列 |
| 分解 | 漏れ/ダブりが少ない(MECE) | 重要要素が抜ける |
| 数字の置き方 | 丸めが一貫、根拠がある | 根拠のない数字連発 |
| 検証 | 桁/常識チェックできる | 出た数字を疑わない |
| 話し方 | 結論→根拠→計算→検証が簡潔 | 途中経過から話す |
あなたの合計点:__点 / 30点
弱点が1つでも当てはまったら、無料診断で具体的な改善メニューを受け取りましょう。
「どこを直せば通過できるか」が明確になります。
自己採点で見つかった弱点は、以下の「失点タイプ」に分類されます。自分のタイプに合った改善法を試してください。
よくある口癖:
改善の型:
練習問題:
「日本の美容院の市場規模は?」と聞かれたとき、何を確認すべきか3つ挙げてください。 (答え例:美容院のみ?理容室も含む?/年間売上?/個人経営も含む?)
よくある口癖:
改善の型:
練習問題:
「スタバの1日の売上」を分解するとき、「客数」をさらにどう分解できますか? (答え例:客数 = 座席数 × 稼働率 × 回転数 + テイクアウト客数)
よくある口癖:
改善の型:
練習問題:
「都心部の世帯の車保有率」を50%と置きたい。どう説明しますか? (答え例:「東京23区は電車が便利で駐車場代も月3万円以上。車を持つメリットが薄いので、半分程度と仮定」)
よくある口癖:
改善の型:
練習問題:
「日本のピアノ台数が1億台」と計算結果が出た。何がおかしいか指摘してください。 (答え例:人口1.2億人に対して1億台は「ほぼ1人1台」。明らかに多すぎる)
よくある口癖:
改善の型:
30秒説明テンプレ:
「結論から申し上げます。日本の乗用車保有台数は約6,200万台と推定します。 式は「世帯数 × 1世帯あたりの保有台数」です。 世帯数は5,000万世帯、保有台数は都心・郊外・地方で分けて計算し、合計6,200万台。 人口の約半分で「2人に1台」。感覚的にも妥当だと考えます。」
例題は「量」より「分解の深さ」が重要です。3つのカテゴリで1問ずつ、模範的な分解プロセスを示します。
同じフォーマットで練習すると、どんな問題にも対応できるようになります。
前提(定義・範囲・期間):
最小の式:
売上 = 客数 × 客単価
分解(切り口を3つ):
置く数字(根拠を一言):
計算(丸め):
イートイン客 = 50席 × 60% × 14回転 = 420人
テイクアウト = 420人 × 50% = 210人
合計客数 = 630人
売上 = 630人 × 600円 = 378,000円 ≒ 約40万円
検証(比較対象):
前提(定義・範囲・期間):
最小の式:
マンホールの数 = 道路総延長 ÷ マンホール間隔
分解(切り口を3つ):
置く数字(根拠を一言):
計算(丸め):
対象道路 = 70万km = 7億m
マンホール数 = 7億m ÷ 50m = 1,400万個
検証(比較対象):
前提(定義・範囲・期間):
最小の式:
市場規模 = 就活生数 × 1人あたりの企業側支出
※就活サービスは学生無料・企業課金モデルが多いため
分解(切り口を3つ):
置く数字(根拠を一言):
計算(丸め):
市場規模 = 3万社 × 200万円 = 600億円
検証(比較対象):
以下のデータは丸暗記してください。これを知っているだけで、計算の起点が作れます。
| データ | 数値 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 日本の人口 | 1.2億人 | ほぼ全ての問題 |
| 世帯数 | 5,000万世帯 | 家庭の保有物 |
| 平均寿命 | 80歳 | 年代別の人口推定 |
| 各年代の人口 | 各1,500万人 | 年代別市場規模 |
| 東京都の人口 | 1,400万人 | 都心の問題 |
| データ | 数値 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 国土面積 | 38万km² | 面積系の問題 |
| 道路総延長 | 120万km | 道路関連 |
| 市町村数 | 約1,700 | 店舗数の推定 |
| 小中高校数 | 約35,000校 | 学校関連 |
| データ | 数値 | 使いどころ |
|---|---|---|
| コンビニ店舗数 | 5.5万店 | 店舗系問題 |
| スタバ店舗数 | 1,800店 | カフェ系問題 |
| 乗用車保有台数 | 6,200万台 | 自動車系 |
A. 基本的に使えません。紙と鉛筆で筆算します。概算なので、複雑な計算は丸めましょう(124万 → 120万)。
A. 考える時間が5〜10分、発表と質疑応答で10〜15分程度が一般的です。
A. 質問してOKです。むしろ積極的に質問することで「この人は論理的だな」という好印象を与えられます。ただし、質問は30秒以内に簡潔にまとめましょう。
A. 「いったんここは〇〇と仮定して先に進みます」と宣言してください。止まってしまうより、仮置きして進む方が評価されます。後から「先ほどの仮定を修正すると〜」と戻ることもできます。
A. 自分の経験から推定してください。「私の実家は地方で車が2台あるので、地方は1.5台と仮定」のように、経験を根拠にすれば説得力が出ます。
A. 本気で取り組めば3日で基礎は身につきます。次のセクションで練習メニューを紹介します。
フェルミ推定は「慣れ」です。以下のメニューで3日間集中的に練習すれば、基礎レベルは完成します。
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「どこから手をつければいいか分からない」を解消しましょう。
フェルミ推定は「頭の体操」ではありません。ビジネスで未知の市場規模を予測するための必須スキルです。
この記事のポイント:
減点ポイントは人によって違います。まずは無料診断で自分の弱点を可視化し、最短ルートで対策しましょう。
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