
「不況に強い仕事に就きたい」 「地元に貢献したい」 「国の大きな政策に関わりたい」
公務員は、いつの時代も安定志向の学生にとって魅力的な選択肢です。 民間企業のような倒産リスクがなく、福利厚生が充実している点は、人生設計において大きな安心材料になります。
しかし、近年は**「公務員離れ」**も進んでいます。 「ブラック霞が関(官僚の激務)」が問題視されたり、副業解禁などの自由な働き方を求めてあえて民間を選ぶ人が増えています。 一方で、民間企業で経験を積んだ人を採用する「中途採用枠」は拡大しており、公務員のキャリアパスも多様化しています。
そして何より、就活生を悩ませるのが**「公務員試験の負担」**です。 1000時間以上の勉強が必要と言われる筆記試験と、民間企業の就活(ES・面接)を両立させるのは至難の業です。
この記事では、公務員の職種による仕事の違い、試験の難易度とスケジュールのリアル、そして民間と併願して「内定」を勝ち取るための戦略について解説します。
この記事でわかること:
これを読めば、公務員一本で行くか、民間の保険をかけるか、あなたの進むべき道が明確になります。
一口に「公務員」と言っても、働く場所と役割によって全く別の職業です。まずは3つの主要な区分を理解しましょう。
| 区分 | 職種名 | 勤務地・特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 国家公務員 | 総合職 (キャリア官僚) |
霞が関(本省) 法律や制度を作る国のリーダー。幹部候補として超スピード出世するが、激務。 |
・国を動かすスケールの大きな仕事がしたい人 ・激務でもやりがい重視の人 |
| 国家公務員 | 一般職 (旧Ⅱ種) |
霞が関・地方出先機関 政策を実行する実務部隊。スペシャリストとして特定の分野を極める。 |
・国の仕事に関わりたいが、専門性を磨きたい人 ・ある程度のワークライフバランスも欲しい人 |
| 地方公務員 | 地方上級 (県庁・政令市) |
都道府県庁・市役所 住民対応、地域振興、福祉など。転居を伴う転勤がない(地元で働ける)。 |
・地元が好きで、地域に貢献したい人 ・転勤したくない人 |
上記の3つ以外に、**「国税専門官」「財務専門官」「裁判所事務官」**などの専門職試験もあります。 これらは業務内容が特化しており、専門スキルが身につくため、民間への転職市場でも評価されやすいという特徴があります。
「公務員になれば、毎日17時に帰れて土日休みでしょ?」 そう思っているなら、危険です。
特に本省勤務の場合、国会対応(議員からの質問通告待ち)などのため、深夜残業・タクシー帰宅は日常茶飯事です。最近は働き方改革が進んでいますが、それでも民間大手より激務な部署は多いです。
地方公務員は、3〜4年ごとに全く違う部署への異動があります。
公務員は法律で原則副業が禁止されています(最近、一部自治体で解禁の動きはありますが)。 「定時で帰って副業で稼ぐ」というライフスタイルは、まだ一般的ではありません。
公務員試験と民間就活の両立は、「時間」との戦いです。
| 時期 | 試験種・イベント | 民間の動き |
|---|---|---|
| 3年 秋〜冬 | 予備校で勉強(教養・専門) | 冬インターン・早期選考 |
| 4年 3月〜4月 | 国家総合職 試験 | 民間企業の面接ピーク |
| 4年 5月 | 東京都・特別区 試験 裁判所事務官 試験 |
民間の内定が出始める |
| 4年 6月 | 地方上級(県庁・政令市) 試験 国家一般職 試験 |
民間の内定承諾期限 |
| 4年 7月〜8月 | 官庁訪問(面接)、自治体面接 | |
| 4年 10月〜 | 市役所(C日程)など | 内定式 |
① 公務員専願(背水の陣)
② SPI枠・教養のみの自治体を併願
③ がっつり併願(早めの内定確保)
公務員の面接で最も深掘りされるのが、**「公益性(全体の奉仕者)」**への理解です。 民間企業は「利益」を追求しますが、公務員は「利益にならないこと(福祉・教育・インフラ維持)」もやらなければなりません。
×「安定しているからです」 ×「リストラがないからです」 ×「地元のことが好きだからです」(愛だけでは弱い)
「民間企業では解決できない課題に、長期的な視点で取り組みたいから」
回答例 「私は地元〇〇県の過疎化問題に取り組みたいと考えています。 都市開発や観光誘致などは民間企業でも可能ですが、採算が合わない中山間地域のインフラ維持や、高齢者の生活支援といった『セーフティネット』の維持は、行政にしかできません。 利益追求にとらわれず、すべての住民が安心して暮らせる土台を、長期的な視点で支え続けたいと考え、公務員を志望しました。」
キーワードは**「公平性」「長期的視点」「セーフティネット」**です。
A. 筆記試験にはありませんが、官庁訪問にはあります。 公務員試験(1次試験)は点数さえ取れば誰でも受かります。しかし、国家総合職の採用面接(官庁訪問)では、事実上、東大・京大・早慶などが圧倒的に有利な現実があります。地方公務員はそこまで学歴偏重ではありません。
A. 専門試験があるなら通うべきです。 「憲法」「民法」「経済原論」などの専門科目は、独学だと効率が悪すぎます。お金はかかりますが、TACやLECなどの予備校で過去問の傾向(捨て科目を作る戦略など)を教えてもらう方が合格率は高いです。
A. 正直に答えてOKです。 「受けています」と答えた上で、「しかし、第一志望は御庁です。理由は〜(上記の公益性の話)」と繋げれば問題ありません。「一本です」と嘘をついてバレるより誠実です。
A. 少しハードルが高いです。 公務員のスキル(決裁書の書き方、法令知識)は、一般企業でそのまま使えるものが少ないからです。市場価値を高めたいなら、専門職(国税など)を目指すか、若いうちに転職する必要があります。
A. 今はほぼありません。 昔の地方役場のようなコネ採用は、コンプライアンス的に不可能です。純粋な実力勝負だと思ってください。
公務員就活は、情報戦とメンタル管理の勝負です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 職種選び | **国家(制度作り)か地方(住民対応)**か、働き方の好みに合わせる。 |
| 働き方 | 部署ガチャはある。「楽な仕事」だと思って入ると後悔する。 |
| 併願戦略 | 4月までに民間の内定を持っておくと、本番で勝てる。 |
| 面接 | **「公益性」「公平性」**への熱い想いを語る。 |
「全体の奉仕者」として、国や地域を支える誇り。 その覚悟が決まったなら、今すぐ参考書を開き、合格へのカウントダウンを始めましょう。
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