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入社準備・社会人基礎

【電話応対の実践マニュアル】新人が「電話に出るのが怖い」を克服する全技術|敬語・伝言・クレーム対応

2026年1月12日
Cheese Editorial Team
9分で読めます
【電話応対の実践マニュアル】新人が「電話に出るのが怖い」を克服する全技術|敬語・伝言・クレーム対応

「プルルルルルル…!」

静かなオフィスに鳴り響く電話の音。 新入社員のあなたはその瞬間、心臓が跳ね上がり、背筋が凍りつき、視線をPC画面に固定して「誰か出てくれ…」と祈る。

いわゆる**「電話恐怖症(テレフォン・フォビア)」**です。 これはあなたが悪いわけではありません。生まれた時からスマホがあり、連絡はLINEやDMが当たり前の世代にとって、 「誰からかかってくるか分からない」 「リアルタイムで返答しなければならない」 「会話が録音されているかもしれない(記録に残らない)」 という固定電話の特性は、まさにホラーそのものです。

しかし、ビジネスの現場では、まだまだ電話は現役です。 そして、新人の評価の50%は「電話の出方」で決まると言っても過言ではありません。 なぜなら、電話は**「会社の玄関」**だからです。 あなたの対応一つで、会社の信用が上がることもあれば、数億円の取引が消えることもあります(脅しではなく本当です)。

この記事では、電話への恐怖心を自信に変えるための「台本(スクリプト)」と、どんなトラブルも切り抜けられる「護身術」を伝授します。 これを読めば、次の着信音がチャンスの合図に聞こえるようになるでしょう。


第1章:なぜ、新人は「3コール以内」に出ろと言われるのか?

「新人が電話に出ろ」という理不尽なルール。 これには3つの理由があります。

  1. 誰よりも暇だから 先輩たちは忙しいです。あなたが電話に出ることで、先輩の時間を1分守ることができます。それは間接的に会社の利益に貢献することです。
  2. お客様や取引先を覚えるため 「〇〇商事の佐藤です」という声を何度も聞くことで、会社の主要な取引先の名前と担当者の名前を自然にインプットできます。これは後々の仕事で必ず役立ちます。
  3. ビジネス敬語の実践練習場だから 電話は顔が見えない分、言葉遣いだけで勝負しなければなりません。ここで敬語のトレーニングをしておくと、対面の商談で楽勝になります。

「3コール」というのは約10秒です。 1コール(3秒)で出るのが理想。「お待たせいたしました」を言わなくて済むからです。 3コールを超えたら、第一声は必ず「お待たせいたしました」です。 5コールを超えたら、「大変お待たせいたしました」です。


第2章:基本の「受ける」技術(完全スクリプト)

電話対応はアドリブ禁止です。全て「型」があります。この台本をPCのモニターに貼っておいてください。

Step 1:第一声(会社の顔になる)

受話器を左手で取ります(右手はメモのために空けておく)。 「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、新入社員の△△でございます。」 ※「もしもし」はビジネスではNGワードです。「もしもし」と言いたくなったら唇を噛んでください。 ※「新入社員の」と自分でつけてしまうのはアリです。「不慣れですが許してね」という予防線を張りつつ、相手も優しくなってくれます。

Step 2:相手の名乗りを確認する

相手:「お世話になっております。△△商事の佐藤と申します。」 あなた:「いつもお世話になっております。△△商事の佐藤様ですね。」 ※必ず復唱(オウム返し)します。「佐藤さん」ではなく「佐藤様」と敬称をつけるのを忘れずに。 ※相手が早口で聞き取れなかった場合: 「申し訳ございません。お電話が少々遠いようでして、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」 (「お前の声が小さい」とは言わず、「電話機のせい」にするのが大人のマナーです)

Step 3:用件を聞く・取り次ぐ

相手:「営業部の田中課長はいらっしゃいますか?」 あなた:「営業部の田中ですね、かしこまりました。ただいま確認いたしますので、少々お待ちくださいませ。」 ※ここでの「田中」は呼び捨てです。社外の人に対して自社の人間には敬称をつけません(〇〇課長とも言いません)。「課長の田中」と言い換えるのがスマートです。

Step 4:保留にする(重要!)

絶対に受話器を手で押さえるだけで大声で呼ばないこと! こちらの話し声や笑い声が丸聞こえになります。必ず「保留ボタン」を押してください。 保留の限界は**「30秒」**です。それ以上かかりそうなら、一度出て「折り返し」にします。

Step 5:つなぐ or 不在対応

【本人がいる場合】 「田中さん、△△商事の佐藤様からお電話です(3番です)」と伝えてバトンタッチ。

【本人が不在の場合(離席・外出・会議)】 ここが一番のパニックポイントです。

  • 離席(トイレやコピー):「申し訳ございません。田中はただいま席を外しております。戻り次第、こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
  • 外出:「申し訳ございません。田中はただいま外出しておりまして、戻りは15時の予定でございます。」(戻り時間を伝えるのがポイント!)
  • 会議:「申し訳ございません。田中はただいま会議中でございます。会議は11時に終了予定ですので…」
  • 休み:「申し訳ございません。田中は本日終日休みを頂いております。明日の朝9時には出社予定です。」

第3章:伝言メモ(メモランダム)の書き方

不在だった場合、相手の用件を聞いてメモを残す必要があります。 以下の「5W1H」を漏らさず聞きましょう。

  • Who(誰が):会社名、名前(漢字も聞く!)
  • When(いつ):電話があった日時
  • Where(連絡先):折り返しの電話番号
  • What(用件):「見積もりの件で」「至急相談したい」「またかけ直す」
  • How(どうしたい):折り返しが欲しいのか、伝言だけでいいのか

【聞き方のコツ】 「念のため、折り返しのお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか?」 (知っていても聞くのがマナーです)

書き終わったら、最後に自分の名前も書きます。「受:新人△△」。 これは「私が責任を持って承りました」というサインです。 そして、そのメモを本人のデスクの目立つところ(キーボードの上やモニターの縁)に貼ります。風で飛ばないようにテープや付箋を使いましょう。


第4章:恐怖の「クレーム電話」対処法

これが一番怖いです。出た瞬間に怒号が飛んでくる。 「おい!どうなってんだお前の会社は!ふざけるな!」

ここでパニックになって「すみません!」と謝り続けたり、ガチャ切りしてはいけません。 クレーム対応の極意は**「サンドバッグになること」ではなく「避雷針になること」**です。

鉄則1:まずは謝罪(部分謝罪)

「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」 ※何について謝るか特定せず、まずは「怒らせたこと」に対して謝ります。

鉄則2:相手の怒りを吐き出させる

相手の話を遮ってはいけません。「でも」「だって」は禁句です。 「左様でございますか」「おっしゃる通りでございます」 ひたすら相槌を打ち、ガス抜きをさせます。人間、怒り続けるにはエネルギーがいります。3分も話せばトーンダウンします。

鉄則3:事実確認とバトンタッチ

あなたが解決しようとしてはいけません。新人の手には負えません。 「私では分かりかねますので、責任者に代わります」 は火に油を注ぎます。「逃げた」と思われるからです。

正解は: 「詳細を確認し、早急に対応させていただきたいと存じます。担当の責任者(または上司)から、今すぐ折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」 あくまで「解決のための前向きな提案」として上司にパスを回すのです。


第5章:間違いだらけの敬語・NGワード集

ビジネス電話でよくある間違い敬語です。これを使うだけで「教養がない」と思われます。

NGワード OKワード 解説
もしもし (なし) 第一声は「お電話ありがとうございます」
〇〇様でございますね 〇〇様でいらっしゃいますね 「ございます」は物、「いらっしゃる」は人
お声が小さいのですが お電話が少々遠いのですが 相手のせいにしない
担当にお伝えします 担当に申し伝えます 身内には謙譲語(申し伝える)
ちょっと待ってください 少々お待ちいただけますでしょうか 「ちょっと」は子供言葉
了解しました かしこまりました / 承知いたしました 「了解」は目上には失礼
なるほどですね 左様でございますか 「なるほど」はイラっとされる言葉No.1

第6章:スマートな「かけ方」の技術

受けるだけでなく、かける機会もあります。 かける時のマナーは「相手の時間を奪うことへの配慮」です。

1. 手元に資料を準備する

話す内容、必要な書類を手元に置いてから受話器を取ります。かけてから「えーっと」と探すのは論外です。

2. 時間帯を考える

  • NGタイム
    • 始業直後(朝礼などでバタバタ)
    • 昼休み(12
      〜13
    • 終業間際(帰ろうとしている時)
    • 月曜の午前(週初めの会議)、金曜の夕方(締め作業)

3. 第一声の配慮

「お忙しいところ恐れ入ります。今、お時間5分ほどよろしいでしょうか?」 必ず都合を聞きます。「今ダメ」言われたら、「では何時頃改めましょうか?」と即座に切り上げます。


まとめ:電話は「声の笑顔」で決まる

いろいろなテクニックを書きましたが、一番大切なのは**「声のトーン」**です。 電話越しでも、相手が笑っているか、ムスッとしているかは驚くほど伝わります。

これを**「笑声(えごえ)」と呼びます。 通常の会話よりも、「ワントーン高く」「ゆっくり」「ハキハキと」**話すこと。 そして、誰も見ていなくても、受話器に向かってお辞儀をすること。 この姿勢は必ず声に乗って相手に届きます。

最初は怖くて当たり前です。 噛んでもいいし、保留を間違えて切ってしまってもいい(新人の特権です)。 大切なのは、「一生懸命対応しよう」という誠意です。

100本取れば慣れます。 1000本取れば達人になります。 まずは最初の1本、勇気を出して受話器を取ってみてください。 「お電話ありがとうございます!」 その元気な声が、あなたの会社のファンを一人増やすかもしれません。

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