「メーカーで働きたい」
そう考える学生は多いですが、メーカー(製造業)は裾野が広すぎて、一括りにするのは危険です。
自動車とカップ麺では、ビジネスモデルもカルチャーも全く違います。
メーカー研究の基本軸は2つ。
- 完成品(セットメーカー)か、素材・部品(サプライヤー)か
- BtoC(消費者向け)か、BtoB(法人向け)か
このマトリクスを理解することで、あなたが本当に目指すべきメーカーが見えてきます。
有名だからという理由でBtoCメーカーばかり受けて全滅する前に、メーカー業界の全体像(エコシステム)を俯瞰しましょう。
第1章:メーカーの4分類と代表企業
1. 自動車・輸送機器(日本の王様)
- 代表:トヨタ、ホンダ、日産、スズキ
- 特徴:日本のGDPの約1割、就業人口の大半を支える巨大産業。給与水準も高く、福利厚生も最強クラス。
- 課題:EV(電気自動車)シフト。100年に一度の大変革期。テスラや中国メーカーとの競争に勝てるか。
2. 電機・精密(栄枯盛衰と復活)
- 代表:ソニーグループ、日立製作所、パナソニック、キーエンス
- 特徴:かつて家電で世界を制覇したが、中韓勢に敗北。現在は「IT・インフラ・ソリューション」へ転換して復活した企業(ソニー、日立)と、苦戦する企業の二極化。
- 注目:キーエンスは営業利益率50%超え、平均年収2000万超えのバケモノ企業ですが、激務でも有名です。
3. 食品・飲料・消費財(安定の人気)
- 代表:サントリー、味の素、明治、キリン、花王、資生堂
- 特徴:学生の認知度No.1。倍率が高い。景気に左右されにくい安定性。
- 注意:営業はスーパーを回る泥臭い仕事も多いです。海外売上比率が高い企業(味の素など)以外は、国内市場縮小の影響をモロに受けます。
4. 素材・化学・部品(隠れホワイト)
- 代表:信越化学、東レ、旭化成、日本製鉄、村田製作所
- 特徴:BtoBのニッチトップ。製品の中に使われるので目立たないが、実は世界シェアNo.1で、利益率が高い。理系院生に大人気だが、文系営業職も採用している。
第2章:文系職種 vs 理系職種
文系の仕事
- 営業
自社製品を売る。
- BtoC:卸業者(問屋)や小売店(スーパー)への提案営業。棚の獲得競争。
- BtoB:メーカーの技術者に対して、「うちの素材を使えばこんな性能が出ます」とスペックインを目指す提案営業。長期戦。
- 生産管理(サプライチェーン)
いつ、なにを、どれくらい作るか計画し、工場の稼働を管理する司令塔。
- 資材・調達
製品を作るための材料を、安く、高品質に、安定して仕入れるバイヤー。コストカットの要。
理系の仕事
- 研究開発(R&D)
10年後の商品を創るための基礎研究や、新技術の開発。
- 設計・開発
具体的な製品の設計図を書く。
- 生産技術
工場で製品を効率よく量産するためのライン設計や、機械の導入。実は一番人手が足りていない穴場職種。
第3章:メーカー志望動機の作り方「なぜ、この製品か?」
メーカーの面接では、**「モノへの愛着」**が問われます。
商社や金融が無形商材なのに対し、メーカーは有形商材です。
社員は自社の製品に誇りを持っています。
Goodな志望動機:
「私は御社の〇〇という技術に感動しました。なぜなら、私の実体験として〜(エピソード)。この製品をもっと世界に広げることで、人々の生活を豊かにしたい」
Badな志望動機:
「モノづくりがしたいです(抽象的)」
「安定しているからです」
「御社のCMが好きです」
特にBtoBメーカーを受ける場合、「なぜ完成品メーカーではなく、素材なのか?」という質問に答える必要があります。
「完成品は流行り廃りがあるが、素材はあらゆる製品の根本であり、代替不可能な価値を提供できるから」といったロジックが有効です。
第4章:メーカーの未来「モノからコトへ」
「良いモノを作れば売れる」時代は終わりました。
今のメーカーは、製品(ハードウェア)にサービス(ソフトウェア・体験)を組み合わせて価値を出そうとしています。
これを**「コト売り」や「サービタイゼーション」**と言います。
- トヨタ:車を売る会社から、「移動の自由を提供するモビリティカンパニー」へ。
- ソニー:家電屋から、「エンタメ・金融も含めたコングロマリット」へ。
- ダイキン:エアコンを売るだけでなく、「空気のデータを管理するソリューション」へ。
面接では、
「単に製品を売るだけでなく、その製品を使って顧客のどんな課題を解決したいか」
というソリューション視点で話せると、採用担当者に「お、こいつ分かってるな」と思われます。
まとめ:日本の底力はここにある
GAFAのようなIT企業が注目されがちですが、リアルな物質(アトム)を加工して価値を生み出す製造業は、依然として日本経済の心臓部です。
緻密なすり合わせ技術、現場の改善力、品質へのこだわり。
これらは一朝一夕には真似できません。
あなたが携わった製品が、街中で使われていたり、海外の店舗に並んでいたりするのを見た時の喜びは、メーカー社員だけの特権です。
「自分の仕事の成果が形に残る」
その手触り感に魅力を感じるなら、メーカーは最高の舞台です。
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