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業界研究

【2026年卒】自動車業界研究!EVシフトでトヨタは負ける?「CASE」革命とサプライヤーの生存戦略

2026年1月17日
更新: 2026年1月19日
Cheese Editorial Team
8分で読めます
【2026年卒】自動車業界研究!EVシフトでトヨタは負ける?「CASE」革命とサプライヤーの生存戦略

はじめに

「日本のモノづくりを支えたい」 「世界中を走るクルマを作りたい」 「自動運転で交通事故をゼロにしたい」

自動車業界は、売上高数十兆円、関連就業人口550万人という、日本最大にして最強の基幹産業です。 トヨタ自動車を筆頭に、ホンダ、日産などの「完成車メーカー」や、デンソー、アイシンなどの「部品メーカー(サプライヤー)」は、高年収で福利厚生も手厚く、理系・文系問わず就活生から絶大な人気を誇ります。

しかし、この巨大産業は今、創業以来最大のピンチを迎えています。 それが**「CASE(ケース)」と呼ばれる技術革新と、世界的な「EV(電気自動車)シフト」**です。

ガソリンエンジンで世界を制した日本車ですが、エンジンが不要なEVの時代になれば、その強み(すり合わせ技術)は無効化されます。 IT企業のテスラや、中国メーカー(BYDなど)が覇権を握り、日本メーカーは下請けに転落する——そんなシナリオさえ囁かれています。

この記事では、激動の自動車業界構造、完成車メーカー各社の生存戦略、そして部品メーカーの再編ドラマについて解説します。

この記事でわかること:

  • トヨタの「全方位戦略(マルチパスウェイ)」は吉か凶か?
  • 日産・ホンダの連合結成など、再編が進む理由
  • 「ティア1(Tier 1)」サプライヤー(デンソーなど)の強さと年収
  • 文系が自動車業界で活躍できるフィールド(調達・営業・企画)

これを読めば、「クルマが好き」という気持ちだけでなく、「日本の産業構造を変革する」というマクロな視点で自動車業界を語れるようになります。


目次

  1. 自動車業界の構造:ピラミッドの頂点と裾野
  2. 100年に一度の変革期:「CASE」と「EVシフト」
  3. 完成車メーカー比較(トヨタ・ホンダ・日産・マツダ・スバル)
  4. 部品メーカー(サプライヤー)の生き残り戦争
  5. よくある質問(FAQ)
  6. まとめ

1. 自動車業界の構造:ピラミッドの頂点と裾野

自動車は、約3万点の部品でできています。この部品を作るサプライチェーンは巨大なピラミッド構造です。

階層 名称 代表企業 役割・年収
頂点 完成車メーカー
(OEM)
トヨタ、ホンダ
日産
車を企画・開発・組み立て・販売する。
年収も権限もトップ。
1次下請け ティア1(Tier 1)
メガサプライヤー
デンソー、アイシン
ボッシュ(独)
システム単位(エンジン、ブレーキ等)をまとめて納入。
技術力が高く、年収は完成車メーカー並み
2次下請け ティア2(Tier 2) 各種素材・加工メーカー ティア1にネジやゴム、半導体などを納入。
特定技術に特化している。

就活生が狙うべきは、完成車メーカーか、ティア1(メガサプライヤー)です。 特にティア1は、複数の完成車メーカーと取引できるため、実は完成車メーカーよりも安定している場合があります。


2. 100年に一度の変革期:「CASE」と「EVシフト」

この言葉を知らずに面接に行くと即落ちします。

CASE(ケース)とは?

4つの変革トレンドの頭文字です。

  • C:Connected(つながる):車がネットに繋がり、渋滞情報を共有したり、スマホでエアコン操作したりする。
  • A:Autonomous(自動運転):人が運転しなくても移動できる。
  • S:Shared(シェアリング):車は「所有」から「利用(シェア・サブスク)」へ。
  • E:Electric(電動化):ガソリンから電気(EV)へ。

EVシフトによる業界激震

EVは部品点数がガソリン車の半分(約1.5万点)になります。 エンジンやトランスミッションが不要になるため、これらを作っていた部品メーカーは**「仕事が消滅する」**危機にあります。 逆に、モーター、バッテリー、半導体メーカーには巨大なチャンスです。


3. 完成車メーカー比較(トヨタ・ホンダ・日産・マツダ・スバル)

各社のEV戦略の違いに注目してください。

① トヨタ自動車(TOYOTA)

  • 戦略「全方位(マルチパスウェイ)」。EV一本に絞らず、ハイブリッド(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)、水素エンジンなど、全ての選択肢を用意する。
  • 強み:圧倒的な資金力と、世界中のあらゆる地域(充電インフラがない地域含む)に対応できるラインナップ。
  • 懸念:EV専業のテスラやBYDに比べて、EV開発スピードが遅れているという批判もある。

② 本田技研工業(HONDA)

  • 戦略「脱エンジン宣言」。2040年までに販売する全ての新車をEVかFCV(燃料電池車)にするという大胆な目標。
  • 強み:バイク、航空機(ホンダジェット)、ロボットも手がける技術者集団。ソニーと提携(AFEELA)し、IT化を加速。

③ 日産自動車(NISSAN)

  • 戦略:EVのパイオニア(リーフ)。ルノー・三菱自動車とのアライアンスを活用。
  • 強み:自動運転技術「プロパイロット」や、電動化技術「e-POWER」の評価が高い。

④ マツダ・スバル(中堅メーカー)

  • マツダ:デザインと「走る歓び」に特化。トヨタと協業。
  • スバル:水平対向エンジンと「アイサイト(安全)」。米国での人気が異常に高く、利益率が高い。

4. 部品メーカー(サプライヤー)の生き残り戦争

実は、理系の就活生には完成車メーカーよりティア1の方が人気があることもあります。 「完成車メーカーに行くと調整業務ばかりだが、サプライヤーなら技術を深掘りできる」からです。

注目企業

  • デンソー:世界2位のメガサプライヤー。もはやIT企業並みにソフトウェア人材を採用している。年収もトヨタに迫る。
  • アイシン:トランスミッション世界首位だが、EV化でピンチのため、eAxle(イーアクスル:モーター駆動ユニット)に社運を賭けている。
  • ブリヂストン:タイヤ世界首位。タイヤはEVになっても絶対になくならない最強部品。

5. よくある質問(FAQ)

Q1. 免許がないと入れませんか?

A. 文系事務職ならなくても入れます。 開発職(テストドライバーなど)や営業職は必須ですが、人事や経理なら不要な場合も多いです。ただし、内定後に取得を推奨されます。「クルマへの愛」がないと辛い職場環境ではあります(周りがクルマ好きだらけ)。

Q2. 英語は必要ですか?

A. 必須です。 日本市場は縮小しており、売上の大半は北米、中国、欧州、東南アジアです。文系でも海外駐在の可能性が高く、理系でも海外の工場と会議をします。TOEIC 700点は最低ラインと考えましょう。

Q3. トヨタって本当に安泰ですか?

A. 倒産はしませんが、業界トップであり続けられるかは不明です。 スマホにおけるノキアやガラケーのように、技術のパラダイムシフトで王者が入れ替わる可能性はゼロではありません。だからこそ、トヨタ自身が「自動車会社からモビリティカンパニーへ変わる」と危機感を叫んでいます。

Q4. 文系の仕事は何ですか?

A. 「調達」と「生産管理」が重要です。

  • 調達:世界中から安くて良い部品を買い集めるバイヤー。コスト競争力の源泉。
  • 生産管理:部品の納入タイミングを管理し、工場を止めないようにする司令塔(ジャスト・イン・タイム)。
  • 営業:ディーラーへの卸売りや、販売戦略支援。

Q5. EVシフトでリストラされますか?

A. エンジン部品専業メーカーは危険です。 「点火プラグ」や「マフラー」など、エンジン特有の部品しか作っていないメーカーは、多角化(医療機器など)に失敗すると生き残れません。企業研究では「非エンジン部品の売上比率」を必ずチェックしてください。


6. まとめ

自動車業界は、日本で最後に残された「世界で勝負できる産業」です。

この記事の要点

項目 ポイント
完成車メーカー トヨタの全方位戦略 vs ホンダのEV特化。戦略が分かれている。
部品メーカー デンソーなどのティア1は高待遇。エンジン部品専業はリスクあり。
キーワード CASEEVシフトサプライチェーン
就活 ただの車好きは要らない。**「モビリティ社会」**を描ける人材が欲しい。

今日からのアクションプラン

  1. 今日:街を走っている車のエンブレムを見る。「テスラ」や「BYD」のバスを見かける頻度が増えていることに気づく。
  2. 明日:トヨタ自動車のオウンドメディア「トヨタイムズ」を見る。社長が何を語っているか、その危機感と熱量を肌で感じる。
  3. 今週中:大学の先輩で、部品メーカー(ティア1)に行った人に話を聞く。「完成車メーカーの下請け」というイメージが覆るほど、高度な技術開発をしている実態を知る。

「ガソリン臭い工場」のイメージは捨ててください。 これからの自動車業界は、AIと電気で動く、巨大なITデバイスを作る最先端産業です。 日本のモノづくりの底力を、世界に見せつける仕事がここにあります。


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